ブリーダーとペットショップの違い

日本では、「ペットのお迎え=ペットショップでの購入」が根底にあり、「ブリーダーから直販できるの?」「ブリーダーって何?」と、ペットブリーダーの認知度はあまり高くないと言えます。

また残念ながら、多くの報道局では「悪質ブリーダー(繁殖屋)」や「ブリーダーから保護した猫・犬を管理している保護団体」しか報道しません。
いわゆる偏向報道というもので、「ブリーダー=金儲けの為だけに動物を利用している業者」の認識を植え付けています。
動物愛護法の規制も「ペットショップよりもブリーダー」に直接的に該当するものが多く、日本では常にペットショップ > ブリーダーの構図が作られています。
このような状態になっていると考えられる理由は沢山あります。聡いお方は何となく想像がつくでしょうが、ここではこれ以上は述べません。
一つだけ覚えておいていただきたいのは、報道されているような悪質なブリーダー(繁殖屋)がいることも確かですが、「しっかりとした環境で我が子のように動物を可愛がるブリーダー」も沢山いるということです。それだけは間違いございません。

少し話が逸れてしまいましたね^^;
ブリーダー或いはペットショップからペットを迎えるにあたってのメリット・デメリットを、主観でお答えします。

■ ブリーダーからのペットのお迎え

メリット

・取り扱っているペットの知識が一定以上ある

現在の動物愛護法上、資格を保有している者や経験がある者しかブリーダーになれない為。 一定以上と書いたのは、その知識量はブリーダーによって千差万別な為です。

ペットショップの販売員と違い、日ごろのお世話だけでなく、交配→出産→幼猫・幼犬、子猫・子犬のお世話や疾患に掛かった際の獣医師との対話など、寝ている時以外はほとんどペットと触れ合い、常に知識を吸収し、経験を持っています。


・長い付き合いができる

ペットショップに比べると、接客をするお客様の数が違います。また、接客対応してもらったスタッフがいなくなる(辞める・異動する)といったことも基本的にはない為、ブリーダーはお客様のことをよく覚えています。

ブリーダーによって対応は様々でしょうが、お迎え後も分からないことや不安なことを質問すると、丁寧に答えてくれるでしょう。


・販売している各個体の知識が、他の誰よりもある

自分で幼猫からお世話をしているのですから、好きなものやこと・好きな食べ物嫌いな食べ物・性格やクセ、そういったことが細かく分かります。


・同じ質のペットでも、ペットショップより安価に購入できる場合が多い

主に、掛かる経費の違いです。ペットショップの場合は、人件費やショップの土地契約料など、一ブリーダーよりも遥かに経費が掛かります。

一般の方はご存じないかと思いますが、ほとんどのペットショップは自家繁殖はしておらず、ペットオークションでブリーダーが出品したペットや、ブリーダーとの直接のやり取りでペットを仕入れています。その分の費用が、ペットの販売価格や安全パックといったオプションに乗りかかってきます。

ほとんどのブリーダーはペットを仕入れず(自家繁殖)、自宅兼猫舎犬舎で余分な土地代は掛からず、家族経営(責任者本人+奥様旦那様の1~2人が多いです)で人件費も余分に掛からない為、ペットショップと比べ安価に販売できるのです。

「ペットショップと比べて安すぎる!?病気を持ってるのかも!」と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、告知事項に書いてなければ、そういったことはありません(あれば問題です)。掛かる経費の違いや、各ブリーダーの考えの違いです。


・生体代以外に掛かる費用が少ない

ワクチン代やマイクロチップ代、健康診断代が別途掛かる場合もありますが、ほとんどの場合、¥5,000円~¥30,000円で収まります。


デメリット

・お迎え後に何かあったときの保障がきちんとされない場合がある

保障が付いていなかったり、保障の内容が乏しい場合があります。各ブリーダーによって異なりますので、保障の内容はしっかりと確認する方がよいでしょう。


・透明性が乏しい

問題ないと説明されても、先天性の異常や疾患など、透明性に乏しいものがあります。上述同様、「保障があるかどうか」や引渡し前の「健康診断の有無」を確認し、ブリーダーの人柄もしっかり判断する必要があります。残念なことに、各メディアで報道されているような悪質なブリーダーも一定数存在していますので、対応が親身か・人柄は良いかなども重要なポイントです。

法人・個人問わず、ショップを持っている・ホームページを持っている・個人事業主として開業しているなど、何らかで人目に付く可能性が高い(記録に残る)ことをしているブリーダーは、評価や社会的信用を守る為に注意・努力している可能性が高く、信頼性が高いと言えるかと思いますので、一つポイントとなります。


・簡単に見学できない場合がある

当舎もそうですが、見学には事前に予約を入れていただく必要があります。それは、ショップ兼自宅でブリーダー業を営んでいる場合が多いからです。店舗を構えているブリーダーですと予約せずに見れる場合もありますが、数は多くありません。


・支払方法に柔軟性がない可能性が高い

多くのブリーダーが現金のみの支払いとなっています。
当舎では、PayPal(ペイパル)を利用したクレジットカード決済が可能です。


■ ペットショップからのペットのお迎え

メリット

・情報の信憑性が高い

ホームセンターやショッピングモールに入っているペットショップはそのお店の子会社(直営ペットショップ)の場合が多く、虚偽の説明があろうものなら、法人に大きな制裁や悪評が付きます。もちろんブリーダーも同様ではありますが、規模を考えると企業ガバナンス(そもそもブリーダーは個人事業主の場合が多い)の違いは明白です。
ブリーダーが営んでいるペットショップに関しても、評価や社会的信用を守る為に注意・努力している可能性が高く、情報の信憑性(信頼度)が高いと言えるかと思います。


・保障がしっかりしている

高額なオプション費がデメリットではあるものの、ペット保険やお店の保障など、一ブリーダーよりも手厚い保障の場合が多いです。


・営業時間内なら、いつでもペットを見に行くことができる

店舗を持っていないブリーダーと違い、基本的にはペットショップに予約は必要ありません。営業時間内ならいつでも出入りできますので、思い立ったらすぐ見に行くことができ、検討できます。


・支払方法が柔軟

ペットショップでは、クレジット支払い・分割払い・ボーナス払いなど、様々な支払方法に対応しているお店がほとんどです。今持ち合わせが足りないけど、分割払いでなら余裕を持ってペットを迎えることができる、といった臨機応変なこともできます(ペットは急な高額出費が発生する場合がありますので、おすすめはしません。)。


デメリット

・ショップや店員によっては、知識が乏しい場合がある

大きいショップであればあるほど、アルバイトが多い・仕事として割り切って働いている方など、専門として仕事をしているブリーダーより知識量が乏しい方がいます。もちろん、全ての店員がそうというわけではないでしょうが、過度な期待はしない方が無難でしょう。


・仕入れしてきた以降のことしか分からない

自家繁殖をしているペットショップを除き、大半はペットをオークションやブリーダーから仕入れてきます。

動物愛護法で「生後57日に満たないペットの販売は禁止」されています。ペットショップの仕入れもこの法令通りとなる為、生後56日までの子猫・子犬はお世話しません。
つまり、「幼い頃はこういう色でこういう柄だったのが、こう変わった。」「こういう性格だったけど、こうなった」「兄弟姉妹とこういう遊びをしていた」といったことは知る由もありません。

仕入れてきてすぐ展示されている子は、性格やクセもまだ把握できていないでしょう。


・ブリーダーから販売されているペットよりも高額になりがち

ブリーダーのメリットで細かく説明していますが、掛かる経費が違う為、ペットショップからの購入はどうしても高額になりがちです。
人件費や土地契約代はもちろん、特に、ペットショップやブリーダーから仕入れているペットショップは、必ず仕入れ値よりも高い金額で売る必要がある為、ブリーダーより高額になるのです。


・生体代以外に掛かる費用が多い

安心パックとして、生体代以外に高額な費用を請求するペットショップが多いです。生体代がそもそもブリーダーよりも高額になりがちな上にオプション費用も高額な為、購入総額がブリーダーから購入する場合と比べて、倍以上の金額になるなんていうことはままあります。



いかがでしたでしょうか?

ブリーダーとペットショップで購入する場合、大きいところでこういった違いがあります。
きちんとしたブリーダーからペットを迎えれば、同じようなペットでも半額かそれ以上安くなる場合があります。

また、お迎え後も気軽に質問したり、長い付き合いも可能です。

飼い主様・ペットが幸せに過ごしていけるよう、メリット・デメリットを考え、お客様に合った方法でペットをお迎えできればと思います。

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